旧じぇーしん日誌(~2013.10)

日本商品を中国に売り込んでます

展示会と中国進出支援のその後

 

FHC CHINAの募集が開始されていた。

 

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http://www.fhcchina.com/en/index.asp (公式サイト)

http://www.jetro.go.jp/events/tradefair/20120516974-event (出展募集/JETROより)

 

FHC CHINAとは、毎年11月に上海で開催される中国最大級の食品・飲料の国際見本市のこと。ここ上海では毎年5月に行われる「SIAL CHINA」と合わせて『2大食品イベント』とも言われるほど、業界注目度はそれなりに高いといえる。

このFHCの中で、毎年「ジャパンパビリオン」という日本食品館が設置される。中国に商品を売り込みたいと考える日本企業が集うわけだが、昨年は震災の影響でパビリオン自体が自粛された経緯がある。そんなわけで、今年は2年ぶりの再登板。とかくコストがかかりがちな海外展開において、こうした「団体船」に乗り込んで比較的手軽に海外バイヤーとコンタクトをもてる機会は、こと中小企業においては非常に重要な機会だったりする。『中小企業の中国進出支援』としての役割は非常に大きいわけだ。

f:id:kane201:20120606174706j:plain 2年前のFHC

 

そんな展示会に参加する企業というと、私見では大きく3つの特性に分かれる。

1,お試しツアータイプ

「ウチの商品は中国人の口にも合うかなー?」という感じでやってくる物見遊山的な企業。中国人に試食させて「美味しい!」とか言ってもらえれば満足する。実際に取引に結びつけるためには、商品の価格や規格や賞味期限や納期がしっかり定まっており、商流が決まってないと商談にならないことを学んで日本に帰る。

2,パートナー渇望タイプ

とにかくまずは商品を輸出したい、と本気で考えている企業。現地パートナー候補を見つけたいと考えており、日本側で必要情報をしっかり揃えて当日に臨むヤル気を見せている。過去に同様の展示会やBtoB商談会などは参加してみたことがあるものの、その後がつながらず、そろそろ「実取引を・・・」という想いが強い。

3,拡販志向タイプ

すでに中国で販売実績があり、中国市場についても知見が豊富な企業。出展目的は販路の拡大(他地域での代理店を見つけたいなど)が一般的で、すでに商売が動いている分、無理にパートナーを探すというよりは「いいところがあれば・・」というスタンス。現地の商流が確立されている分、当然最も結果を出しやすいタイプ。

 

・・・と、ざっくり上記3種類の出展者がそれぞれ商品を売り込み商談に励むわけだが、こうした展示会もそれなりに課題点はある。「出展商品は正式輸出でないため即販売することができない」、「中国での売値が定まってないから商談できない」など、特に上記1,2のような企業にとっては商談の障害になるケースも少なくない。そうした課題は運営者のJETROも当然認識済みなわけで、対応可能な範囲内で最大効果を出せるよう知恵を絞っているわけだ。ちなみに当社のような立場とすれば、特に2のような「意欲はあるけど上陸できない企業」をうまく誘導してあげることが「中国進出支援」事業におけるミッションだと認識している。

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「中国進出支援」を標榜する企業はすいぶん多い。・・耳がイタイが。ネットで「中国進出支援」とか検索してみたら鬼ほどヒットして即閉じたことがある。で、語弊を恐れずに言えば、そうした企業はおそらく横一線でパッとしていない。パッとしているところは本業が他にあるところが大半だろう。なんでだろうと考えると、おそらく「その後」が続かないからだろう。進出の「その後」、展示会の「その後」、商談の「その後」、輸出の「その後」。。

 

かつて、中国の食品流通市場は「よくわかんない市場だから、よくわかんない業者に頼むのもしょうがない」というフェーズだった。今もそういう面は残っているが、それでも外資が続々参入し、商習慣も少しづつ洗われていく中で、まっとうな企業がまっとうに儲けられる市場に徐々に変貌を遂げつつある。そうした流れの中で、「中国進出支援」を行う会社は、「支援のその後」がより重視されるフェーズに調整されてきているんだと感じている。できもしないことをドヤ顔で提案したり、アテもツテもないのに盛りに盛った提案書で日本から仕事をとる業者も、そろそろ淘汰される段階にきていると思ったりするのだ。そこで新体制になった当社も一緒に流されてしまえばそれだけの存在だったということだろう。

 

そんなわけで、FHCの「その後」もしっかりサポートしていく所存です。