旧じぇーしん日誌(~2013.10)

日本商品を中国に売り込んでます

反日デモが僕らのビジネスに与える影響

 

ご承知の通り、日中関係が再び揺れている。

 

週末(8/19)には北京、上海、広州など中国各地の25か所以上で反日デモが起き、若者を中心に数万人が参加したと報道されている。上海では、味千ラーメン熊本ラーメンチェーン店)の窓ガラスが割られたり、内陸部の日系スーパーでも暴動で営業自粛に追い込まれたところがあったらしい。個人的には、いつもとまったく変わらない平和な日曜日を過ごしたが、残念ながらそうでない地域もかなりあったようだ。

 f:id:kane201:20120821203011j:plain この人だかりよ。。

 

さて、こうした反日気運がたびたび起こる中国だが、当然 ビジネス面でも影響を受ける。当社の例でいえば、事業は「日本食品の中国輸入・販売」が主軸になっているので、この分野での影響を少し整理してみる。ということで3つほど。

 

1.輸入にかかる作業が滞りがち

日中関係が悪くなると、中国各地の港における日本商品の通関作業が遅くなりがち、または止められがちになる。正直、現場レベルでの嫌がらせはいまだに少なくないのだ。普段では見逃されていた内容もこの時期は特に注意深く検査されることもしばしば。この点でいうと「現地でのコネ」が重要になってくるので、日系企業が現場で関わってたりするといろいろ不利なことが多い。

 

2.消費者が日本商品を避けがち

理解ある消費者は政治と実生活を混同しないが、残念ながらデモの規模をみるだけでも、そうでない人が大勢いるのが実情らしい。高級品になりがちな日本産食品であれば、ある程度リテラシーの高い富裕層がターゲットになるわけだが、それでも販売に響いてしまう。こうした事態に小売店側もビビって、他の国の商品を優先させてしまうようなケースも出てきてしまう。

 

3.日本企業が中国進出に腰が引けがち

これ結構多い。日本企業の多くはテレビのニュース情報をまず頼るため、煽り気味のネガティブ報道についつい腰が引けてしまう。当然しょうがない面もあるが、「そんなにメディア情報を鵜呑みにしなくてもいいのでは?」と思う時もあったりする。

 

少し脱線するが、3については中国に拠点をおく我々の責任も大きい。現状、これほど多数の日本企業、日本人がいるというのに、中国現地からの有益な情報発信が少なすぎると常々思っている。また中国からの情報の多くが、商売っ気にあふれた営業情報ばかりで精査が難しい。これでは日本から正確な情報は拾えないよなぁ・・・とぼんやり問題意識を持っていた。このブログの目的も実はそうした背景がこっそりあったりする。いやホントに。

 

とにかく、こうした日中間のトラブルは、ことビジネスの現場においては百害あって一理ない石原都知事の一連のアクションは政治的な意味合いはともかく、ビジネスに関わる人間としては「事を荒立たせないでおくれよ、トホホ。。」以外の感情をもてないのが正直なところだ。

 

余談だが、反日デモが各地で起こった19日の午後、上海市内で「2012上海ブックフェア」に行ってきた。全国から15万種類の本があつまり、読書会、トークショーなどが行われた大規模イベントだったが、そこに日本の輸入本エリアもあった。

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日本の漫画や小説、雑誌にこの人だかり。ほとんどが若者だ。

 

こうした文化レベルの交流を無駄にしてほしくないもんですね。