旧じぇーしん日誌(~2013.10)

日本商品を中国に売り込んでます

チャイナパッシングは止まらない

 

1週間ほど、東京に出張してきました。

 

主な目的は、来年春節のイベント案内やら、個別クライアントへの提案など。

あとはこんなことも。

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写真は大手町の某金融機関での社内セミナーの図。めずらしくお呼ばれしたので、中国における日本食品の現状等について話をしてきた。「このご時世に中国の話なんて・・・」という気もしなくはなかったが、すこしでも現地のリアルな情報を伝えれればと思い、1時間ほど好き勝手喋ってしまった。関係者の方々ありがとうございました。

 

また今回の出張で、もう1つ日本で確認しておきたいことがあった。それは、反日デモ後の日本の対中感情。言葉には出さない「なんとなくの空気感」が強い影響力を与える日本で、中国にいては感じられない、日本の対中空気感を実感しておきたかった。

 

で、結論からいえば、大勢としては「中国リスクは今後も避けがたい。今ほど経済協力関係が密接している中でドラスティックな変化は難しいが、徐々に第三国へとシフトしていかざるをえない」という流れでもう間違いないだろうと確信している。皆、口には出さないものの「もう中国には我慢ならん!」という激しい憤りを感じている。今後、中国を通過(パッシング)してASEANを主戦場と考える日本企業は今後さらに増えていくだろう

 

日本企業の多くは海外に対して臆病だ。

そのためか、海外進出にあたって対象国の「親日度」をよく気にする。今回の中国のデモの1件をみてもその傾向に拍車がかかるだろう。中国の社会環境を考えれば、反日思想の根っこはまだ数十年は続く。 反面、ASEAN諸国の「親日度合」は真逆にも近いという。という状況の中、日本企業もようやく「もう中国さんには頼らない!あ、ASEANのほうに行くもんねっ」という弱々しい声が徐々にあがってきている、というのが現状と言えそうだ。

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週刊現代の2012/10/27日号。電車の中吊りにデカデカと出てて思わずのけぞった。週刊誌特有の煽りもあるとはいえ、これが日本の内なる声かと思うとなんかゲンナリ。

 

そんなわけで、今後、日本の対中ビジネスは確実に縮小傾向へ向かう

 

これは中国の国内環境が大きく変わらない限り、たぶん間違いないだろうと思う。しかしながら、個人的には 「それでいいじゃないか」 と思っている。上の文言はあくまでマクロの話で、個別業界的には差異が激しい。製造業は確実に中国離れするだろうが、サービス業はまだまだこれからの市場だ。食品業界なんて、普遍的な13億人の胃袋を相手にするわけだから市場が縮小するわけがない。また当社みたいな最下層を生き伸びる零細企業からみれば、カントリーリスクと自社リスクはまるで結びつかないし、逆に作用することだって多い。 経済指標に一喜一憂するのは大手にまかせて、 弱小企業の我らは、ニッチな市場にこそビジネスチャンスを作っていけばいいのだ。ニュースに踊らされる企業は尻尾を巻いてとっとと日本に帰ればいい。
 

図体が大きくなりすぎた中国は、今後、市場規模とは裏腹に、日本企業にとっては「アジアのニッチ市場」になっていくのかもしれない。それでいいじゃないか。僕らは引き続き、この中国という “メガニッチ”な市場で戦っていくと決めている。