旧じぇーしん日誌(~2013.10)

日本商品を中国に売り込んでます

海外在住者が日本に帰るタイミング

 

中国に住みはじめて3年と少々が経った。

その間にたくさんの日本人が中国を訪れ、また帰っていった。

 

年が変わり3月に近づくこの時期、駐在員の方は古株から順にぞろぞろと帰任の準備に入る。「ああ、あの人が帰っちゃうのか」「後任はどういう人なのかな」。基本残される我々は、取引先の帰任情報に注意を払い、挨拶のタイミングを伺う。「どうせまたおんなじような人が来るんだから・・」という単調な人選なら楽なのだが、良くも悪くも属人的な仕事が多い中国では、担当者の特性で仕事の質も中身も大きく変わるので油断ができないのだ。当然、帰り際も嬉々として日本に戻る人がいれば、やり残した思いを胸に志半ばで帰る人もいる。

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しかし駐在員はまだいい。幸か不幸かゴールが設定されている。しかし現地で仕事に就いた人、また現地で仕事を興した人というのはどういうタイミングで日本に帰るのか。現地の人と結婚し家庭を築いた人は一生住み続けることもありえるだろう。しかし大抵の人は、現状の意志とは関係なく最終的にはなんだかんだ日本に帰る。もちろん帰国のタイミングは人それぞれだ。日本での事業拡大とか、家庭の問題とか、仕事が一区切りついたとか、体力的にもう厳しいとか。そんなこんなをざっくり分けてみると、

 

◇思い通り型

  • 現地で興した会社が成功して日本拠点を作ったとか
  • 日本と現地のハーフ&ハーフ生活の基盤を作ったとか
  • 現地採用から本社採用に昇格とか

◇撤退型

  • 現地ビジネスに行き詰まったとか
  • 経済的にジリ貧状態が続いてるからとか
  • トラブル起こしちゃったので逃亡とか

◇しょうがない型

  • 日本が恋しくてしょうがない。海外生活に飽きたとか
  • 家族の都合(親の介護、子供の教育など)とか

 

・・・うん、いろいろだ。余談だが、上海でいろんな人と知り合い仕事を共にすると、「あぁ、この人はもう日本に帰ったほうがいいんだろうな」と思う人が内心結構いる。上に挙げたような帰国要因を抱えながらも、無理やり理由をつけて居残る人。未練があるのか、居心地がいいのか。ある意味、自分のタイミングで日本に帰れるというのは、駐在ではないからこそのメリットだと言ってもいい。中国のカオス的なビジネスチャンスや自由さを知ると、日本がどうにも窮屈に感じることはわかるが、タイミングを見誤ってジリ貧からいつまでも脱せない人も多いと感じるのだ。もちろん、人のことを言える立場ではない。わかっている。さっきから耳がずっとイタイ。

f:id:kane201:20130123212121j:plain 人生の分かれ道・・・

 

先日のアルジェリアで起こった人質事件は痛ましい結末()となり、イチ海外在住者として改めて海外在住のリスクを考えるきっかけとなった。身ひとつで海外に出てくるような人は、堅実な人生設計をしているわけでは必ずしもないだろうが、それでも不測の事態を想定しつつ、「自分の店じまいのタイミング」をどこかに持っていないといけないだろうと思っている。

 

最近、新卒で海外就職する日本人の若者も増えてきているらしい。すごいな。その気概や頼もしいなと思いつつ、離れて気づく日本の素晴らしさもまた相当だということは覚えておいたほうがいーかなと思ったりして。成功後の凱旋帰国にせよ、やり直しを込めた一時帰国にせよ、一大決心の末の海外チャレンジなんだから、帰るタイミングはやっぱり自分で決めたいものですね、という話でした。

 

といいつつ、僕は新卒の海外就職はどちらかというと反対派ですけどね。

またそれは別の機会にでも。。

 

 

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