旧じぇーしん日誌(~2013.10)

日本商品を中国に売り込んでます

空気さえも売る中国の大気汚染ビジネス

 

ここのところ、中国の大気汚染が話題になってますね。

 

健康に害を及ぼすとされる『直径2.5マイクロメートル以下の超微粒子物質(PM2.5)』の飛散については以前から問題視されてきましたが、年明け頃からPM2.5値がさらに上昇し、北京市当局にいたっては外出を自粛するよう警報措置もとったほど。上海は北京ほどではないにせよ、一時は200以上の高数値を連日たたきだすほどガス充満の状態が続きました。まったく、こういうときこそ中国共産党お家芸のトップダウンでなんとかせいよと思わずにはいられません。

f:id:kane201:20130119002559j:plain この濁りっぷり・・

 

さて、こうした大気汚染発生の“戦犯”とも言われる国有石油会社「中国石油化工(Sinopec)」の傅成玉会長は、高まる批判の嵐をうけ、責任逃れの弁に必死のようです(※1)。以下リンク先から抜粋。

・先進国に比べ硫黄含有量が大幅に多いガソリンを供給している国有石油大手への批判が高まっている。これに対し、石油大手首脳は、中国の排ガス基準の低さに問題があると国に責任転嫁する~

・「石油精製企業はスモッグに直接責任を負う者の一つだ」としながらも、「これは企業水準が低いからではなく、わが国の基準が十分ではないからだ」と強調した

 

嗚呼。こんな状況じゃ中国で大きく深呼吸できる日はまだ遠い先のようです。

 

そんな中、現在中国のビジネス界隈で「大気汚染対策ビジネス」がホットな話題になっています。マスクや空気清浄機などは筆頭商品として売上が急速に伸びており、ネット上では軍事用ばりのガスマスクすら注文が殺到している模様です。また食品業界でも、やたら「大気汚染に効く」とか「体内消毒」みたいなワードで攻める健康系商品が目立ってきています。食品系の宅配ビジネスなんかも盛況みたいですね、外出を控える人たちが多いですから。その中でも、とくに「さすが中国!」という商売っ気あふれる商品がこれ。(※2

f:id:kane201:20130202142145j:plain 『空気缶』

f:id:kane201:20130202173256j:plain リンク先より抜粋

 

新鮮な空気を詰め込んで缶で売るというね。1本あたり4~5元(60~70円)くらいするらしい。けっこう高い!サントリーウーロン茶(500ml)が3.5元で買えるのに。しかしコレはさすがに盲点、空気の産地証明(?)はどうやって取るんでしょうか。衛生証明の検査も大変です。日本からも「富士山麓周辺の空気缶」とか作って輸入してみたら売れるんですかね。だれか作ってくれたらちょっと仕入れてみたいところです。

 

良い悪いは別にして、消費者の危機感・不安感をうまく取り入れるのはビジネス視点でみれば重要なテクニックです。健康不安から特定効能が期待できる食品を販売するとか、就職が厳しい時代の就活セミナーとか、果ては仮想敵国の存在を煽って儲ける軍事産業とか。モノによってはあざとさを感じないこともありませんが、商売のメカニズムとしてはごく自然ですし根源的な気さえします。そうした「商機」を敏感に察知するのは中国人の得意とするところで、我が身すら襲いかねない大気汚染の危機でさえ、たくましく商売に繋げてしまうタフさは日本人も見習わなきゃいけませんね。

 

そんなわけでまだまだ続くと思われる、濁り空の中国

日本では、この時期の中国出張は罰ゲームかのごとく嫌がられているようです。

ご心配ならマスク持参でお越しくださいませ

 

 

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