Twitterで落とし主を探した結果
全編余談ですが、先日身近で起こった小話を少しだけ。
ある日の夜、当社の中国人スタッフが会社から帰る道で日本人のパスポートを拾いました。対処に困ったスタッフから電話で連絡をうけたので、上海領事館の連絡先を伝え、スタッフはその場ですぐ電話をかけたそうです。そしたら、電話口の領事館担当者は「わかりました。本人が名乗りでたらアナタに連絡をいれます」という今ひとつツレナイお返事。え、それまで私が持ってろってこと?という感じですね。
というわけで、しばし他人のパスポートを持ってなくちゃいけなくなったわけです。これって結構気が気じゃないですよね。まるで知らんぷりはできませんし、春節直前ですから先方ももしかしたら旅行の予定があってスゴイ困ってるかもしれないとか考えちゃいますし。なにか手はないかなと思って、ふとTwitterにつぶやいてみました。
続いて、
このつぶやきをフォロワーさんに結構RT(情報拡散)していただいたわけですが、やはりこれですぐ見つかるわけないですね。なによりこちらからの情報提供が少ない。他人の個人情報なわけですからむやみに詳細情報は出せませんしね。
次の日になって、スタッフからパスポートを私が預かりました。うーん、持ってると気になる。領事館からの連絡を待ちましたが、夕方になっても音沙汰なし。Twitterでも情報は入ってこない。「もしや落とした本人が気づいてないのか?」などと考え始めたところです。その後、少し悩みましたが早期発見のためを思い、Twitterに落とし主の名前をフルネームでのせたわけです。
※ここでは名前は伏せています。Twitterでもこのつぶやきは削除済み。
さぁこれでどうだろうと。こんな雑談もしながら様子をみていました。
そうして2~3時間が経過した後、一人のフォロワーさんから突然携帯に電話をいただきました。その方とはTwitterが縁で上海で一度面識があったのです。「金子さん、Twitterで言ってたパスポートの落とし主、ウチの会社のお客さんですよ」なんつって。仕事中でしたが結構大きな声で「えーっ!」と叫んでしまいました。
その後、その方を通じて私の連絡先を向こうに伝えてもらい、すぐにご本人から連絡がきました。翌日には、菓子折りをもって当社までお越しいただき、丁寧にお詫びと御礼を言っていただきました。事の経緯やTwitterでの情報公開とか、領事館からは実家にパスポート紛失の連絡があったとか、仕事が案外近い分野だったもんでお互いの近況などをあーだこーだとお喋りし、そうして迷子のパスポートは無事持ち主の元に帰っていったのでした。
当初は、人ごと丸出しで「Twitterで落とし主が見つかったらスゴイよな」なんてノンキな気持ちでつぶやいていたわけですが、こんなにスピーディかつ身近なネットワークで発見できたことに驚きました。そういえば、ソーシャルネットワーク論の中でも、“六次の隔たり”とかってありましたよね。「自分の知り合いを6人以上介すと世界中の人々と間接的な知り合いになれる」っていうアレです。そうした芋づる式のネットワークが広範囲であれば、たかだか10万程度しかいない上海在住日本人を探しあてるのはTwitter程度でも十分有効ということなんでしょうかね。
やっぱり時代はSNSだな、と思わせた年末最後の珍事でした。ちなみに落とし主さんからは 御礼に摩提工房の大福セットをいただいたので、社内で美味しくいただきました。
そんなわけで中国は春節突入です。新年快楽!