なかなか中国に進出しない日系カフェチェーン
上海に「CAFE&BAR PRONTO」がオープンしていた。
日本人にはおなじみの、昼はカフェ夜はバーの二毛作カフェバー。場所は上海有数の観光スポットである「田子坊」近くの日月光中心広場1Fだ。カフェ時間から利用したけど、居心地が良かったので夜まで居座って仕事をしてしまった。田子坊周辺は、和洋中・新旧が上手に入り乱れていて、今後の上海トレンド発信地になりそうな予感がする。ん?もうなってるのか?
ちなみに、いわゆる日系カフェチェーンとしては、おそらく「サンマルクカフェ」に続く2店舗目の上海出店。いまだにドトールもタリーズも上島珈琲も(そっくりさんのUBCではない本家)、ルノアールもベローチェもカフェ・ド・クリエも出店していない。日レスドトールは洋麺屋五右衛門を出店しているにも関わらず、カフェ形態はいまだ未進出という状況だ。
サンマルクは聖摩珂・・
とはいえ、サンマルクカフェはベーカリー色を強めており、PRONTOはダイニングバーの見せ方が強い。中国では純粋なコーヒーショップは受け入れられづらいということか?ちなみに外資系でいえばスターバックス(米)、COSTA COFFFEE(英)、The Coffee Bean & Tea Leaf(米)、あと中国系だけどWAGASなどのチェーン系カフェが上海でも店舗数を増やしている。必ずしもセルフ式カフェが成り立たないわけでもなさそうだ。
どうして日系カフェチェーンは中国に進出しないのだろうか。
ここ上海では、日本の大手居酒屋チェーンからラーメン屋、カレー、とんかつ、うどん、ファーストフード、たこ焼きまでありとあらゆる外食形態が我先にとばかりに乗り込んできている。我ら日本人は、上海で日本食に困ることはまずない。その中で、どういうわけか、「日本のカフェ」だけはやってこない。
中国人のコーヒーに対する感覚は日本とも確かに違う。中国人がカフェを利用する目的はだいたい4つ、「食事」「ネット」「勉強」「おしゃべり(商談)」のいづれかだ。そのため、「ちょっとコーヒーでも飲みたいな」で営業帰りのサラリーマンがちょっとサテンに入ってコーヒー飲んで20分くらいして出る、みたいなケースはほぼない。とするとドトールみたいな超高回転カフェは成り立たないことはわかる。しかしスタバやCOSTAの中国市場での躍進などを見るに、タリーズやエクセルシオールみたいな高価格帯ゆったりカフェは十分対抗できるのではと思わなくもない。もっとも、「店内フリーWifi」が常識の中国では、ネット利用目的で長時間居座る客も多いだろうけども。
そんなわけで、いまだ中国進出には足踏みをふんでいるらしい日系カフェチェーン。すでに中国市場に関心がないのか、または関心があれども市場環境がそれを決断させないのか。慎重になるのはいいけど、ボヤボヤしてると変な店がにょきにょき出てきて面倒なことになっちゃうよ、ということも覚えておいたほうがよいかもしれません。
上海で先日オープンしたカフェとかね(武定路×江宁路)。
ドドール!!
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