旧じぇーしん日誌(~2013.10)

日本商品を中国に売り込んでます

「中国ビジネスで絶対に言ってはいけないこと」から考える

 

 ちょっと前に見かけた中国ビジネス関連の記事。

 

【参照】中国ビジネス事情 絶対に言ってはいけないこのセリフ

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20120412/390745/

 

けっこうネット上では賛否両論があったようだけど

非常にベーシックな点ばかりだし程々納得感があるんじゃないでしょうかね。

 

場面1:みんなの前で叱って「面子をつぶすこと」

中国は面子社会、というのはすでに知られたところ。

役職者から一般スタッフまでこうしたメンタリティは脈々と受け継がれている。

ただ、平時なら問題ないが、切羽詰まった時の面子を保つ・潰すのラインは

日本人にはどうしてもわからない点が多い。

この辺りの勘所は下手に日本人が出しゃばらずに

中国人の意見を積極的に仰いだほうがよかろうと個人的には思っている。

 

場面2:そんなこと常識だろうと「自分で考えさせる」

「常識に考えて」「普通にやって」というワードは確かに危険。

また日本的教育法で、あえて何も教えず失敗させるという類も中国では不向きかと。

信賞必罰は言い過ぎまでも、あらゆるプロセスは明確・明文化させるほうが

中国では管理がしやすいし、後々のトラブルにはならないといえる。

とはいえ「報・連・相は中国では適さない、求めるのは結果のみ」という意見は

結構聞かれるし、確かにそういう面は大いにある。ある。

 

場面3:「言い返す」

誤解を招くような言い回しだけど、言い方には非常に配慮が必要だ。

特にスタッフからの少し感情的な意見に対して、

ロジカルな対応は火に油を注ぐようなもの。

意見を聞き入り、同意して、その上でこっちの提案を1個乗っけて

まるっと納めるのが中国流だと最近強く思っている。

もちろん、キレッキレの質問を矢継ぎ早に飛ばしてくるインテリ層には

こっちも全開で理論武装する必要があるが、こうしたケースは一部の上澄み層だけ。

ロジカルに解決できる問題の少なさは、中国にいないと体感できない。

 

最後にもう一つ。最悪の捨て台詞は「日本人だったら」

 別に言ってもいいんだろうけど前後の文脈が大事なのは言うまでもない。

同じ意味だが、「中国人ってさぁ」的な言い出し方はその時点で偏見じみている。

良識ある中国人は、外国人が中国に対して感じるネガティブな印象を、

同じように感じている。

同胞である分、こうした現状を恥じてなんとかしたいと思ってる若い人は多い。

とはいえ現状をそう簡単に変える手段はないわけで、ならば「自分たちこそは・・」

「私たち世代は・・」というような心意気を持っている人がたくさんいるわけだ。

そういう人達に向けても、物知り顔の日本人が「中国人ってのはグダグダ・・」と

十把一絡げな言い方をすれば、いい気がしないのも当然の話だろう。

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周りを見渡してみると、中国人に対して愚痴をこぼす人たちって、

総じて中国で結果を出せていない人たちだったりする。

中国人を尊重し、中国文化を受け入れた上で、日本人としてなにができるかを

あれこれ考え抜く人こそ、中国で物事を進める人に他ならない。

 

上海在住の日本人は出張者含め10万人を超えると言われている。

当然色々な人がいるわけで、逐一、人の振り見て我が振り直さないといけないのだ。

弊社も新体制になりましたので、謙虚に進んでまいりますハイ。