旧じぇーしん日誌(~2013.10)

日本商品を中国に売り込んでます

上海で人気の日本料理店 「酒呑」 で食事

 

お噂はかねがね、という中国人向け高級日本料理店 「酒呑」 にようやく行ってきました。

 

f:id:kane201:20130908180944j:plain 住所:先锋街85号(近金汇路)

 

ん?なぜに「SASANO?」。とにかく連日超満員という人気店です。前回は3日前に電話をして満席と断られたので、今回は1週間前に電話して個室を確保してやりました。以前日経ビジネスオンラインでも紹介されていたので、日本人の間でもけっこう知名度上がってますね(『マグロが1切れ3000円!上海高級和食店に潜入ルポ』http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130719/251260/?rt=nocnt) 

 

f:id:kane201:20130908180928j:plain 2名席はカウンター

f:id:kane201:20130908180931j:plain 店内はお座敷

 

僕らが行った店の中はこんな感じ。ここが1号店?らしく、すぐ近くに新館もあります。特別だだっ広いわけでもなく、日本の小料理店みたいなイメージでしょうか。ちなみに個室は最低消費1000元以上という条件がついています。この店の単価でいえば余裕ですけどね。ちなみに日本人はほぼいません、だって高いから。

 

f:id:kane201:20130908180926j:plain 超厚切り!この見せ方がまさに中国人向き

f:id:kane201:20130908180933j:plain 輸入品の日本酒、焼酎が並ぶ

 

メニューはというと、日本人の発想にはない「超厚切りの刺身」「一升瓶注文メインの日本酒」が中心です。スタッフ教育も非常にしっかりしており、酒の説明も時折ウンチクを交えて達者です。こういう見せ方がいちいちウマい。中国人富裕層のメンツ心をくすぐります。オーナーは台湾人とのことで、こうした「日本や海外のリソースを中国向けにカスタマイズする発想」は台湾人ならではの感性でしょう。僕らもこういうところは柔軟に見習うべきですね。

 

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写真はこれでも比較的安い部類の刺身です。とはいえ、刺身以外のメニューはそれほど高くもないので安く済ませようと思えばそれなりの金額で入れる店ではあります。ちなみに、今回僕らは刺身一式+通常料理+ビール+日本酒750ml瓶を注文して4人で1800元くらいでした。まぁ予想よりは安くすんだかな、というとこですね。もちろん、日本酒は一升瓶で4000元とかのものもありましたけどね。気づかないフリしてやりました。ちなみに店内では日本酒のボトルキープも多々見受けられました。「日本酒は味がすぐ落ちるからそんなことしちゃダメだろ」と言うのは日本人的発想で、この店では 「日本酒ボトルキープOK→でも日本酒はすぐ味が落ちるから早めに飲んでねと店員が説明→お客さんまたすぐに次の予約いれる」というサイクルを作っているそうです。はぁ・・いちいち勉強になります。

 

業者目線でいえば、 食材は基本中国産のものを仕入れているようですね。魚は大連からでしょうか。それでも味はどれも新鮮で美味しく、管理もしっかりしているなと思いました。逆に日本酒はすべて輸入品を揃えており、価格は600~4000元くらいのものまで幅広い。仕入先は北京の輸入商社と浙江省のなんとか、あと名門酒会総代理の好唯加さんの酒が揃っていました。華湘はなかったかな。うーん、ウチも一升瓶の酒を仕入れないとなー・・。

 

そんなわけで、非常に面白いお店でした。

 

最近、中国では接待自粛の流れで中華料理店の売上が軒並み下がっていると言われています。知り合いの中華料理チェーン店のオーナーも、「特に高級酒の消費が落ちてるんだよねぇ~、白酒とかさぁ」と嘆いており、店舗拡大も一旦様子見にしたとのこと。景気の波に乗って売上を伸ばしてきた中華料理業界も、ここにきて曲がり角に差し掛かった感があります。そんな彼らは次の投資先として、上記のような高級日本料理業態にも関心をもっており、前述のオーナーさんは現在義烏に日本料理店を作るとか息巻いていました。義烏て。どうなのそれ。とりあえず調味料あたりは売り込んでみようかなと思います。

 

いずれにせよ、こうした新しい形で日本食材が消費されていくことは僕らにとっても良いことですよね。中国人をもっと取り込みたいと考える日本企業にとっては、ヒントになることがたくさんある店ではないでしょうか。市内からはちょっと遠いですけど一度は行くべし!