タダより高いものはやっぱりない
先日、知り合いの中国人社長とお酒を飲んでいる中で、とある日本人のイケてない仕事っぷりが話題に上がった。
「あいつは毎回お願いごとばっかりで全然ウチにメリットがない。共通の知り合いもいたからはじめは義理で付き合ったけどさ。今後はもう助ける気はないね」
酒が入っていたこともあり、その社長の口調もわりと辛辣だったが、まぁどこの世界でも聞かれる類の話だろう。その時はそれ以上話は深まらなかったが、改めて思いかえすと特に中国ビジネスの肝だよなと感じるようになった。中国に限らず、人と人とのつながりで仕事を作る世界にいる以上、貸し借りの意識が低いと信用されない。言葉にすれば当たり前の話だが、遅ればせながら中国で仕事をしながら改めてこの言葉の重みを感じるようになったわけだ。いやぁ深い。
当社の例を挙げれば、取引先に上海の某高級小売店がある。彼らとの付き合いの中で、よくちょっとした『お願いごと』をされる。「○○まで旅行に行くんだけど」「日本でいま人気の○○は手に入るの?」こういうとき、みんな大抵要求までは言わない。濁した言葉の語尾をこちらが汲み取り、出来る範囲で『お願いごと』を聞き入れるのだ。金額にしたら1回あたり数万円とたいしたことはない。しかし、こうした彼らのわがままを聞き入れるべきなのか?日本人の感覚とすれば最初は当然とまどった。
「いやいや、それって立場を利用したリベートじゃんか」と私。
「でも、これをしてあげたら関係は良くなりますよ」とスタッフ(平然)。
で、実際に要求に答える。そうすると本当に関係性は良くなるのだ。取引は安定し、オペレーションもスムーズになり、発注量も増える。当初は「中国人は変なところで律儀だな・・」なんて不思議に思っていたが、こうした“貸し借り”の意識が、彼らの商習慣を支えるある種の美意識となっていることを次第に理解できるようになった。
お返しは相応に!
言わずもがな、中国は会社の名前よりも個人間の人間関係で仕事が動く。つまりは、個々人の「貸し借りバランス」で仕事が作られ商売が動くようになっている。「この前は無理なお願いしちゃったから、あの人を紹介して仕事をつないであげよう」とか、「あの時流した仕事は大きくなったみたいだな。じゃぁ1コ面倒な仕事を頼んでもいいだろう」とか。長い目で見ればトータルで貸し借りバランスがとれる限り、中国では良好な関係を続けることができる。逆にバランスが維持できなければ関係は崩壊する。冒頭の日本人も、この貸し借りバランスがわかってない(もしくは保てない)人だったということだ。
ちなみに、中国でやたら“交渉力”をひけらかして毎回優位な条件ばかり獲ろうとする輩も日本人には結構多い。相手を打ち負かしてその場だけ利益とっても、次回につながらければトータルマイナスだよねという、これまた当たり前の話にすぎないのだが。そういう人は徐々に地盤が沈下していくので、そっと距離をとっといたほうがいいだろう。
当社も上海に会社をかまえて早や数年。業績は低空飛行のままながら、業界内ではそれなりに仕事をさせてもらっている。本音をいえば、「手間暇をかけている割に儲けが伴わないね」という思いも内部ではあるにはあるが、それでも長い目でみればあらゆる場面で“貸し”を作っているという少々の自負もある。2013年は刈り取りの時期だ。
世の中ギブアンドテイクだろ?
ということで、中国で分不相応なほどの待遇を受けたり、高価なモノをもらったり、豪勢な食事をご馳走してもらってヘラヘラ喜んでるのは無知か無能だ。はじめに借りを作るか貸しを作るかは結構重要なポイントだ。中国人の商売人ほど、この感覚が長けている。彼らと付き合うならば貸し借り天秤はしっかり計量しないといけません。
タダより高いものはやっぱりないのだ。
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なかなか中国に進出しない日系カフェチェーン
上海に「CAFE&BAR PRONTO」がオープンしていた。
日本人にはおなじみの、昼はカフェ夜はバーの二毛作カフェバー。場所は上海有数の観光スポットである「田子坊」近くの日月光中心広場1Fだ。カフェ時間から利用したけど、居心地が良かったので夜まで居座って仕事をしてしまった。田子坊周辺は、和洋中・新旧が上手に入り乱れていて、今後の上海トレンド発信地になりそうな予感がする。ん?もうなってるのか?
ちなみに、いわゆる日系カフェチェーンとしては、おそらく「サンマルクカフェ」に続く2店舗目の上海出店。いまだにドトールもタリーズも上島珈琲も(そっくりさんのUBCではない本家)、ルノアールもベローチェもカフェ・ド・クリエも出店していない。日レスドトールは洋麺屋五右衛門を出店しているにも関わらず、カフェ形態はいまだ未進出という状況だ。
サンマルクは聖摩珂・・
とはいえ、サンマルクカフェはベーカリー色を強めており、PRONTOはダイニングバーの見せ方が強い。中国では純粋なコーヒーショップは受け入れられづらいということか?ちなみに外資系でいえばスターバックス(米)、COSTA COFFFEE(英)、The Coffee Bean & Tea Leaf(米)、あと中国系だけどWAGASなどのチェーン系カフェが上海でも店舗数を増やしている。必ずしもセルフ式カフェが成り立たないわけでもなさそうだ。
どうして日系カフェチェーンは中国に進出しないのだろうか。
ここ上海では、日本の大手居酒屋チェーンからラーメン屋、カレー、とんかつ、うどん、ファーストフード、たこ焼きまでありとあらゆる外食形態が我先にとばかりに乗り込んできている。我ら日本人は、上海で日本食に困ることはまずない。その中で、どういうわけか、「日本のカフェ」だけはやってこない。
中国人のコーヒーに対する感覚は日本とも確かに違う。中国人がカフェを利用する目的はだいたい4つ、「食事」「ネット」「勉強」「おしゃべり(商談)」のいづれかだ。そのため、「ちょっとコーヒーでも飲みたいな」で営業帰りのサラリーマンがちょっとサテンに入ってコーヒー飲んで20分くらいして出る、みたいなケースはほぼない。とするとドトールみたいな超高回転カフェは成り立たないことはわかる。しかしスタバやCOSTAの中国市場での躍進などを見るに、タリーズやエクセルシオールみたいな高価格帯ゆったりカフェは十分対抗できるのではと思わなくもない。もっとも、「店内フリーWifi」が常識の中国では、ネット利用目的で長時間居座る客も多いだろうけども。
そんなわけで、いまだ中国進出には足踏みをふんでいるらしい日系カフェチェーン。すでに中国市場に関心がないのか、または関心があれども市場環境がそれを決断させないのか。慎重になるのはいいけど、ボヤボヤしてると変な店がにょきにょき出てきて面倒なことになっちゃうよ、ということも覚えておいたほうがよいかもしれません。
上海で先日オープンしたカフェとかね(武定路×江宁路)。
ドドール!!
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上海でビジネスセミナー開催
【参照】 http://www.gml-sh.com/seminar20130419.html
その他内容に関するご質問等あればお気軽にご連絡ください。
また当日は時間の許すかぎり来場者の皆さま達とも情報交換の時間をもてればと思っております。皆さまのご来場をお待ちしております。
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3.1上海ITフォーラムで喋ります
今回は告知です。
3月1日に開催される「第10回Beaconユーザ会上海ITフォーラム」なる集いにご招待いただいたので少々喋らせていただきます。内容は以下の通り。
【参照】http://kamome.bz/index.php?itemid=2832
第10回Beaconユーザ会上海ITフォーラム
『中国におけるソーシャルメディアの活用法-実践編-』
日 程: 2013年3月1日(金)15時~19時
開催地: 上海
主 催: 備実必(上海)軟件科技有限公司
■日 程 = 2013年3月1日(金)15時~19時(14時30分 受付開始)
■開催地 = 会 場 :TKP上海カンファレンスセンター(帝珂碧(上海)会?有限公司)
住 所 :上海市静安区威海路775号(×?西北路) 文新報業大厦17階
アクセス:地下鉄の場合:2号線 南京西路駅 4番出口 徒歩10分程度
■主催 = Beaconユーザ会
■費用 = 無料(交流会ご参加時@200元)
■本文 = 一部(15時~17時15分)
講演:(株)エスケイワード WEBソリューション事業部長 沢田圭一様
「微博で9万人超から支持されている中国ネットユーザーとのコミュニケーションのポイント」
~ソーシャルメディアを利用したパワーユーザーとしてのブランディング
講演:上海皆信国際貿易有限公司 総経理 金子恒平様
「食品流通におけるソーシャルメディア活用例」
~上海の小売店等でも活用されつつあるソーシャルメディア事例と市場性について~
二部(17時30分~19時)
「交流会」(費用200元)
(受付)
備実必(上海)軟件科技有限公司
小林志郎(134-7271-1174)xiaolin@bsp-sh.cn
日頃このブログでも書いている食品流通の現場の話を、SNSという視点から30分ほど語ることになりそうです。当社自体たいした実例があるわけでもないのですが、食品分野ではまだほとんど活用されていないSNSですので、当社の過去の失敗事例でも少しは参考になればと思っている所存です。
なんかプロ向けっぽい集まりのようですが、登壇する本人が一番ITから遠い世界におりますので、上海におられる方はお気軽にご参加くださいませ。また当日はぜひ意見・質問などもお寄せ頂きたいのですが、あまりに切れ味鋭い質問は受け止めきれませんので、温かい目でご聴講いただきますよう重ねてお願い申し上げます。
今年もよろしくお願い致します。
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Twitterで落とし主を探した結果
全編余談ですが、先日身近で起こった小話を少しだけ。
ある日の夜、当社の中国人スタッフが会社から帰る道で日本人のパスポートを拾いました。対処に困ったスタッフから電話で連絡をうけたので、上海領事館の連絡先を伝え、スタッフはその場ですぐ電話をかけたそうです。そしたら、電話口の領事館担当者は「わかりました。本人が名乗りでたらアナタに連絡をいれます」という今ひとつツレナイお返事。え、それまで私が持ってろってこと?という感じですね。
というわけで、しばし他人のパスポートを持ってなくちゃいけなくなったわけです。これって結構気が気じゃないですよね。まるで知らんぷりはできませんし、春節直前ですから先方ももしかしたら旅行の予定があってスゴイ困ってるかもしれないとか考えちゃいますし。なにか手はないかなと思って、ふとTwitterにつぶやいてみました。
続いて、
このつぶやきをフォロワーさんに結構RT(情報拡散)していただいたわけですが、やはりこれですぐ見つかるわけないですね。なによりこちらからの情報提供が少ない。他人の個人情報なわけですからむやみに詳細情報は出せませんしね。
次の日になって、スタッフからパスポートを私が預かりました。うーん、持ってると気になる。領事館からの連絡を待ちましたが、夕方になっても音沙汰なし。Twitterでも情報は入ってこない。「もしや落とした本人が気づいてないのか?」などと考え始めたところです。その後、少し悩みましたが早期発見のためを思い、Twitterに落とし主の名前をフルネームでのせたわけです。
※ここでは名前は伏せています。Twitterでもこのつぶやきは削除済み。
さぁこれでどうだろうと。こんな雑談もしながら様子をみていました。
そうして2~3時間が経過した後、一人のフォロワーさんから突然携帯に電話をいただきました。その方とはTwitterが縁で上海で一度面識があったのです。「金子さん、Twitterで言ってたパスポートの落とし主、ウチの会社のお客さんですよ」なんつって。仕事中でしたが結構大きな声で「えーっ!」と叫んでしまいました。
その後、その方を通じて私の連絡先を向こうに伝えてもらい、すぐにご本人から連絡がきました。翌日には、菓子折りをもって当社までお越しいただき、丁寧にお詫びと御礼を言っていただきました。事の経緯やTwitterでの情報公開とか、領事館からは実家にパスポート紛失の連絡があったとか、仕事が案外近い分野だったもんでお互いの近況などをあーだこーだとお喋りし、そうして迷子のパスポートは無事持ち主の元に帰っていったのでした。
当初は、人ごと丸出しで「Twitterで落とし主が見つかったらスゴイよな」なんてノンキな気持ちでつぶやいていたわけですが、こんなにスピーディかつ身近なネットワークで発見できたことに驚きました。そういえば、ソーシャルネットワーク論の中でも、“六次の隔たり”とかってありましたよね。「自分の知り合いを6人以上介すと世界中の人々と間接的な知り合いになれる」っていうアレです。そうした芋づる式のネットワークが広範囲であれば、たかだか10万程度しかいない上海在住日本人を探しあてるのはTwitter程度でも十分有効ということなんでしょうかね。
やっぱり時代はSNSだな、と思わせた年末最後の珍事でした。ちなみに落とし主さんからは 御礼に摩提工房の大福セットをいただいたので、社内で美味しくいただきました。
そんなわけで中国は春節突入です。新年快楽!
空気さえも売る中国の大気汚染ビジネス
ここのところ、中国の大気汚染が話題になってますね。
健康に害を及ぼすとされる『直径2.5マイクロメートル以下の超微粒子物質(PM2.5)』の飛散については以前から問題視されてきましたが、年明け頃からPM2.5値がさらに上昇し、北京市当局にいたっては外出を自粛するよう警報措置もとったほど。上海は北京ほどではないにせよ、一時は200以上の高数値を連日たたきだすほどガス充満の状態が続きました。まったく、こういうときこそ中国共産党お家芸のトップダウンでなんとかせいよと思わずにはいられません。
この濁りっぷり・・
さて、こうした大気汚染発生の“戦犯”とも言われる国有石油会社「中国石油化工(Sinopec)」の傅成玉会長は、高まる批判の嵐をうけ、責任逃れの弁に必死のようです(※1)。以下リンク先から抜粋。
・先進国に比べ硫黄含有量が大幅に多いガソリンを供給している国有石油大手への批判が高まっている。これに対し、石油大手首脳は、中国の排ガス基準の低さに問題があると国に責任転嫁する~
・「石油精製企業はスモッグに直接責任を負う者の一つだ」としながらも、「これは企業水準が低いからではなく、わが国の基準が十分ではないからだ」と強調した
嗚呼。こんな状況じゃ中国で大きく深呼吸できる日はまだ遠い先のようです。
そんな中、現在中国のビジネス界隈で「大気汚染対策ビジネス」がホットな話題になっています。マスクや空気清浄機などは筆頭商品として売上が急速に伸びており、ネット上では軍事用ばりのガスマスクすら注文が殺到している模様です。また食品業界でも、やたら「大気汚染に効く」とか「体内消毒」みたいなワードで攻める健康系商品が目立ってきています。食品系の宅配ビジネスなんかも盛況みたいですね、外出を控える人たちが多いですから。その中でも、とくに「さすが中国!」という商売っ気あふれる商品がこれ。(※2)
『空気缶』
リンク先より抜粋
新鮮な空気を詰め込んで缶で売るというね。1本あたり4~5元(60~70円)くらいするらしい。けっこう高い!サントリーウーロン茶(500ml)が3.5元で買えるのに。しかしコレはさすがに盲点、空気の産地証明(?)はどうやって取るんでしょうか。衛生証明の検査も大変です。日本からも「富士山麓周辺の空気缶」とか作って輸入してみたら売れるんですかね。だれか作ってくれたらちょっと仕入れてみたいところです。
良い悪いは別にして、消費者の危機感・不安感をうまく取り入れるのはビジネス視点でみれば重要なテクニックです。健康不安から特定効能が期待できる食品を販売するとか、就職が厳しい時代の就活セミナーとか、果ては仮想敵国の存在を煽って儲ける軍事産業とか。モノによってはあざとさを感じないこともありませんが、商売のメカニズムとしてはごく自然ですし根源的な気さえします。そうした「商機」を敏感に察知するのは中国人の得意とするところで、我が身すら襲いかねない大気汚染の危機でさえ、たくましく商売に繋げてしまうタフさは日本人も見習わなきゃいけませんね。
そんなわけでまだまだ続くと思われる、濁り空の中国
日本では、この時期の中国出張は罰ゲームかのごとく嫌がられているようです。
ご心配ならマスク持参でお越しくださいませ
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海外在住者が日本に帰るタイミング
中国に住みはじめて3年と少々が経った。
その間にたくさんの日本人が中国を訪れ、また帰っていった。
年が変わり3月に近づくこの時期、駐在員の方は古株から順にぞろぞろと帰任の準備に入る。「ああ、あの人が帰っちゃうのか」「後任はどういう人なのかな」。基本残される我々は、取引先の帰任情報に注意を払い、挨拶のタイミングを伺う。「どうせまたおんなじような人が来るんだから・・」という単調な人選なら楽なのだが、良くも悪くも属人的な仕事が多い中国では、担当者の特性で仕事の質も中身も大きく変わるので油断ができないのだ。当然、帰り際も嬉々として日本に戻る人がいれば、やり残した思いを胸に志半ばで帰る人もいる。
しかし駐在員はまだいい。幸か不幸かゴールが設定されている。しかし現地で仕事に就いた人、また現地で仕事を興した人というのはどういうタイミングで日本に帰るのか。現地の人と結婚し家庭を築いた人は一生住み続けることもありえるだろう。しかし大抵の人は、現状の意志とは関係なく最終的にはなんだかんだ日本に帰る。もちろん帰国のタイミングは人それぞれだ。日本での事業拡大とか、家庭の問題とか、仕事が一区切りついたとか、体力的にもう厳しいとか。そんなこんなをざっくり分けてみると、
◇思い通り型
- 現地で興した会社が成功して日本拠点を作ったとか
- 日本と現地のハーフ&ハーフ生活の基盤を作ったとか
- 現地採用から本社採用に昇格とか
◇撤退型
- 現地ビジネスに行き詰まったとか
- 経済的にジリ貧状態が続いてるからとか
- トラブル起こしちゃったので逃亡とか
◇しょうがない型
- 日本が恋しくてしょうがない。海外生活に飽きたとか
- 家族の都合(親の介護、子供の教育など)とか
・・・うん、いろいろだ。余談だが、上海でいろんな人と知り合い仕事を共にすると、「あぁ、この人はもう日本に帰ったほうがいいんだろうな」と思う人が内心結構いる。上に挙げたような帰国要因を抱えながらも、無理やり理由をつけて居残る人。未練があるのか、居心地がいいのか。ある意味、自分のタイミングで日本に帰れるというのは、駐在ではないからこそのメリットだと言ってもいい。中国のカオス的なビジネスチャンスや自由さを知ると、日本がどうにも窮屈に感じることはわかるが、タイミングを見誤ってジリ貧からいつまでも脱せない人も多いと感じるのだ。もちろん、人のことを言える立場ではない。わかっている。さっきから耳がずっとイタイ。
人生の分かれ道・・・
先日のアルジェリアで起こった人質事件は痛ましい結末(※)となり、イチ海外在住者として改めて海外在住のリスクを考えるきっかけとなった。身ひとつで海外に出てくるような人は、堅実な人生設計をしているわけでは必ずしもないだろうが、それでも不測の事態を想定しつつ、「自分の店じまいのタイミング」をどこかに持っていないといけないだろうと思っている。
最近、新卒で海外就職する日本人の若者も増えてきているらしい。すごいな。その気概や頼もしいなと思いつつ、離れて気づく日本の素晴らしさもまた相当だということは覚えておいたほうがいーかなと思ったりして。成功後の凱旋帰国にせよ、やり直しを込めた一時帰国にせよ、一大決心の末の海外チャレンジなんだから、帰るタイミングはやっぱり自分で決めたいものですね、という話でした。
といいつつ、僕は新卒の海外就職はどちらかというと反対派ですけどね。
またそれは別の機会にでも。。
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