旧じぇーしん日誌(~2013.10)

日本商品を中国に売り込んでます

中華料理に焼酎を添えて

 

以前も少し紹介したが、いま上海の中華料理店で日本の焼酎を販売している。

【参照】 焼酎はいかがですか(2012.7.11)http://urx.nu/2nJi

 

今回の企画は、宮崎県庁主導のもと、「宮崎産焼酎の海外販路開拓」の一環として中国本土=上海へのテスト販売としてスタートしている。そこに当社が貿易、販売部分をサポートして約4ヶ月間の販売プロモーションを実施することになったのだ。尖閣デモの影響ですったもんたがあったわけだが、なんとか無事販売にこぎつけた。

 

で、その販売している店というのがここ、小橋流水

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同店は上海市内に7店舗を現在展開中だが、今回はそのうちの4店舗(淮海店、浦東店、川沙店、南汇店)にて焼酎を販売する。いわゆる伝統的な上海料理をベースに、洋食・和食テイストを取り入れている点が特徴だ。海外の食品なども積極的に試してみる同社の姿勢が本企画にもうってつけとなり、今回コラボを提案した。特に、写真上の川沙店は老上海の雰囲気そのままのオシャレなレストランで、日本人観光客や接待には特にオススメだ。市内中心部からは遠いが、近くに立ち寄った際はぜひ足を運んでみて欲しい。

 

今回輸入した焼酎は、宮崎県企業6蔵元の商品全12アイテム。各店舗には焼酎を無料試飲できるサービスもあるほか、メニューには焼酎の飲み方指南なども中国語で添えている。水割りは中国で安っぽいイメージがあると思われたので、基本的には「ストレート、ロック、お湯割り、ジュース割、ソーダ割り」の5種類をベースに提案をしている。

f:id:kane201:20121103184703j:plain 焼酎にお猪口・・はご愛嬌

f:id:kane201:20121103184651j:plain 店内には観光ポスターも

 

中国は日本酒が人気を高めているのに対し、「焼酎が飲まれていない」という点は以前のエントリーでも触れた。とはいえ日本人にはもちろん人気が高い。正直、今回輸入した焼酎も、日本料理店に営業をかければそれなりに売れるものばかりだ。しかし宮崎県の意向としては、「将来的にみて、焼酎を一般的な中国人に定着させたい」という目的のもとに販路を中華料理店に限定している。これ、県の事業としてはなかなかにチャレンジングだ。企画立案者の方は相当内部調整をしたことだろう。しかし地域産業支援はかくあるべし。こういう事業にこそ当社も全面サポートしていきたいのだ。

 

実際のところ、上海の中華料理店も、厳しい競争の中で日々変化を求められている

王道の中華料理だけで勝負するのではなく、新しい要素を取り入れてそれぞれが差別化を図ろうとしている。店内の奇抜さや、海外から仕入れた新しい食材、盛り付けの斬新さ、度を超えたサービスなど手法はさまざま。その中で、日本式の刺身を提供する中華料理店もでてきているほどだ。今回の焼酎テスト販売も、そうした新しい切り口の一手として料理店側も期待を寄せてくれている。もちろん新しい酒市場を作っていくことの道のりは非常に非常に険しいわけだが、徐々にでも焼酎を嗜む中国人層を作っていければ、少量ながらも継続的な販売につながるだろう。また今後は、日本料理店や市内小売店、各種イベントなどとも上手くリンクさせていきながら販売量を増やしていければいいんじゃなかろうか。

 

f:id:kane201:20121104190804j:plain 中国ウン千年の酒の歴史に挑む・・のか

 

焼酎に限らずだが、『ド新規の海外市場に新しいカテゴリの商品を提案する』 というのは非常に地道な作業だ。大手企業のように広告費をドカンと投入すれば話は別かもしれないが、こうした草の根的な手法で売り込んでいく場合は、ある程度長期的に繰り返し提案するほかない。たまに、「日本では○○の方法でこの商品を普及させました!中国でもこの路線でいきます!」と日本の成功体験をそのまま持ち込んでくる人もいるが、大抵うまくいかない。日本と中国の商習慣の違いはやはり直接体感しないとわからない。失敗を重ね、マイナーチェンジを繰り返しながら最適な手法をみつけて小さな成功を積み重ねていくしかないのだ。

 

というわけで中国人のみなさーん、食事のお供にぜひ焼酎をお試しあれ。