旧じぇーしん日誌(~2013.10)

日本商品を中国に売り込んでます

中国でも問題化するセクハラ

 

性骚扰 xìngsāorǎo

セクハラの中国語だそうです。勉強になります。

 

経済成長に伴い労働環境も早足で整備されつつある中国では、多発するセクハラ被害に対応すべく体制づくりを固めてきているらしい。

中国全国総工会は9日、「『女性労働者の労働保護に関する特別規定』の貫徹をめぐる会議」において、職場でのセクハラの予防・制御に関する細則の計画を明らかにした(参照1)。中国では2005年に初めてセクハラ防止規定を初めて盛り込んだ改正「女性権益保護法」が採択されており、その後も対象範囲の不備や権利保護の拡充などを求める動きは各地でみられていた。ちなみに広州の女性団体は、積み上げた豚足(広東語で女性への非礼行為を意味するらしい)に包丁を突き刺すパフォーマンスなどでセクハラ防止を訴えていたそうだ。

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ロイターとイプソスが世界20カ国以上で実施した共同調査によると(参照2)、職場でのセクハラ経験率が最も高い国はインドの26%で、2位に中国がランクインしている(18%)。ちなみに日本は6%と調査国の中では下位らしい。チャイナ・デーリーの調査では(参照3)中国女性の5人に1人がセクハラ被害を受けているとの調査結果を発表している通り、国としての早期対応策が求められていたと言えるだろう。

 

日本でセクハラ問題が取りざたされたのは、80年代も後半にさしかかってきた頃からだ。90年代以降は世間的にも認知が広がり、各企業や団体からの関連訴訟も頻発することになった。法的には1次被害(直接的な強要、嫌がらせ)と2次被害(周囲からの中傷やPTSD、精神疾患など)に区分されるらしいが、まだまだ未整備な部分が多く立件できるケースは少ないそうだ。確かに境界線がわかりづらいため線引きが難しい場面もあるように感じるが、そうは言っても心を病むほど追い込まれている人が多いことを考えれば、被害者の意見はシビアに聞き入れなければならないだろう。経済力で伸び悩む日本だけに、文化モラル面ではアジアの範たるべしを心がけたいところだ。

 

と言いつつ、残念ながらかつて日本人も中国でセクハラ裁判に訴えられたことがあった。日系企業の女性スタッフが日本人上司に対してセクハラ被害を訴え、男性側が書面での謝罪と賠償金(3000元)の支払いを命じられたという一件(参照4)。なんとも情けない話だ。

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こんな写真もネットで出回ってる

 

しかしながら、実際日本人のこうしたセクハラまがいの言動は非常に多いのが実情なのである、残念ながら。先日も、ある会社の女性スタッフの方に「御社の総経理は日本人でしょ?」と質問したところ、「ああ、あのセクハラオヤジね」的な回答をされ、その後のご対面で勝手に印象を落とした人がいた。もちろん本人には言えないが。上海は特に夜の遊びが盛んな歓楽街であって、それ目的で足しげく出張に来る日本人も少なくない。品のない人は昼間の打ち合わせ時から夜に行く店選びに精を出す人だっているくらいだ。また駐在員でも、夜遊びの武勇伝を社内で堂々と語り散らす人がどういうわけか多い。日系企業で働く中国人女性が、日本人男性に対してイマイチ良いイメージをもたないのはそうした日々の言動にあるように思うんだが。。

 

中国人女性は、日本人女性と比べて明らかに「下ネタ」寛容度が低い。世界的にみても日本人女性は下ネタ耐性が高いという話を聞いたことがあるが、まぁそれはTPOをわきまえればある程度許されるという文化が出来あがっているんだろう。しかし中国では、たとえ酒席であっても日本のノリで下ネタコミュニケーションを取ろうとするとド級の地雷を踏む可能性が高い。もう、想像するだに恐ろしい。見たところ年配の男性ほどそうしたコミュニケーションに頼りがちな傾向が見られるので十分注意されたし。

 

近頃の上海では、日本と同様に「女性が強く、男性が弱く」的な風潮が強い。業界によって差はあるだろうが、そのため優秀な人材を取ろうとすると自然と女性スタッフが多くなるケースが多いように感じる。四方を中国人女性スタッフに囲まれる、なんて想像すると少し怖い気もするが、社内コミュニケーションはしっかり節度はわきまえないといけないな、と改めて姿勢を正したところです。では。